環境品質短期予測

• 目的
• 環境データの時空間相関パターン予測
• データローダ
• 応用例
• 構成
• 動作環境
• 注意事項
• 参考

目的

本情報資産では様々な環境観測データを収集する処理と、それらの時空間的な相関パターンから大気質（AQI）ランクを学習・予測する処理、予測結果からマップデータ（リスクマップ）^[1]を生成する処理を行います。

環境データの時空間相関パターン予測

AQIランク予測は、CRNN深層学習モデル^[2]に基づいて行われます。CRNNでは、まず、Convolution Neural Networks（CNN）を用いて観測データとAQIランクの空間的な相関パターンを学習した後、Recurent Neural Networks（RNN）の一種であるLong Short Term Memory（LSTM）を用いて、時間的な相関パターンを学習します。このCRNN機械学習モデルを用いて、対象エリア内における１～数時間後のAQIランクを予測します。予測した結果から、地図上に表示可能なリスクマップを生成します。

データローダ

環境品質短期予測で使用する環境観測データを、インターネット等から収集し、イベントデータ形式の分析用データを抽出してデータベースに登録します。

応用例

• 大気汚染注意報・警報発令の早期警戒
• 交通公害等による健康リスクを避けたルート案内など

構成

本情報資産は以下から構成されます。

• 処理プログラム（Python言語）
  • CRNN予測モデル生成プログラム
  • CRNN予測モデル学習プログラム
  • CRNN予測モデル評価プログラム
  • CRNN予測モデルテストプログラム
  • CRNN予測モデル転移学習プログラム
  • AQI短期予測プログラム
• データモデル
  • 測定局データテーブル（public形式）
  • ヘルスケアセンサーデータテーブル（event形式）
  • 大気データテーブル（public形式）
  • CRNN予測モデル情報テーブル（public形式）
  • CRNN予測モデル生成テーブル（public形式）
  • CRNN予測モデル評価テーブル（public形式）
  • CRNN予測モデルテストテーブル（public形式）
  • CRNN予測モデル転移学習テーブル（public形式）
  • AQI短期予測テーブル（public形式）
• 予測モデル（CRNN^[2]方式）
  • AQI (PM2.5)短期予測モデル（5次地域メッシュ・１時間単位）

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

• OS : Ubuntu 18.04 LTS
• メモリ : 4GB以上推奨
• ディスク : 100GB以上
• インターネット接続が可能
• Python : 3.x系（2.x系では動作しません）
  • Pythonライブラリ
  • psycopg2
  • configparser
  • geojson
  • requests
• PostgreSQL : 9.2以上

xDataEdge^[3]環境を使用する場合は、上記に加えて以下の条件が必要です。

• Apache, Nginx等、HTTP サーバ機能を持つ（HTTP/HTTPS ポートを LISTEN する）サービス等を OS 上に稼働させていないこと
• xData EdgeをインストールするOSのroot権限を有すること

注意事項

• 制限事項
  • 本情報資産は動作環境に示す環境以外での動作は保証しません。
  • データベースに登録するデータについては制約があります。詳細はデータローダAPIマニュアル^[4]を参照ください。
• 免責事項
  • 当ページに掲載している情報は可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、正確性や安全性を保証しません。
  • 当ページに掲載している内容、提供されるものによって生じた損害等の一切の責任は負いかねます。
  • 当ページで提供されるものは全てサンプルであり予測結果の責任は負いかねます。

参考

• [1] DCCSサンプルアプリケーション:https://dccs-trial.nicttb-b5g.jp/dccs_sample_aqi/
• [2] Zhao, P. and Zettsu, K.: Convolution Recurrent Neural Networks for Short-Term Prediction of Atmospheric Sensing Data, The 4th IEE International Conference on Smart Data (SmartData 2018), Halifax, Canada, pp.815-821 (July 2018).
• [3] xData Edgeマニュアル:https://www.xdata.nict.jp/docs/Edge/1.0/
• [4] データローダAPIマニュアル:https://www.xdata.nict.jp/docs/DataLoader/0.6/