移動環境リスク予測
概要
目的
環境データ(気象観測データ等)と交通データ(交通流や人流のデータ)の時空間的な相関性を発見・学習し、豪雨・豪雪等の異常気象による渋滞や混雑などの発生リスクを予測した時系列マップデータを生成します。
相関マイニング
環境データと交通データの時空間的な相関パターンを発見するため、FP-growth等のデータマイニング手法に基づく頻出パターン発見を行います。さらに、Spatially High-Utility Itemset Mining (SHUIM[1])手法により、局所的に有用性の高いパターン(例えば渋滞が集中する箇所)を高速に抽出することが可能です。
異常気象時の渋滞・混雑リスク予測
地域メッシュ(250m四方)の降水量などの気象データと交通流データから発見した相関パターンを基に、気象予測データから渋滞リスク(渋滞長に基づく10スケール値)を予測します。また、気象データと人流データを用いて、同様に、混雑リスク(流動人口密度の10スケール値)の予測を行うこともできます。

応用例
- 異常気象時の渋滞リスク予測や混雑リスク予測に応じて、リスクを回避するルートを探索しナビゲーションを行うアプリケーションの開発など

構成
本情報資産は以下から構成されます。
- 処理プログラム(Python言語)
- トランザクション生成プログラム
- 頻出パターンマイニング(FPGrowth)プログラム
- リスクマップ生成プログラム
- 頻出集合抽出(SHUIM)プログラム
- データモデル
- 1次メッシュ地域テーブル(analysis形式)
- 2次メッシュ地域テーブル(analysis形式)
- 3次メッシュ地域テーブル(analysis形式)
- 4次メッシュ地域テーブル(analysis形式)
- 5次メッシュ地域テーブル(analysis形式)
- 降水量データテーブル(event形式)
- トランザクションテーブル(public形式)
- 予測モデル
- 相関ルール集合
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- OS : Ubuntu 18.04 LTS
- メモリ : 8GB以上推奨
- ディスク : 500GB以上
- インターネット接続が可能
- Python : 3.x系(2.x系では動作しません)
- PostgreSQL : 9.2以上
xDataEdge[2]環境を使用する場合は上記に加えて以下の条件が必要です。
- Apache, Nginx等、HTTP サーバ機能を持つ(HTTP/HTTPS ポートを LISTEN する)サービス等を OS 上に稼働させていないこと
- xData EdgeをインストールするOSのroot権限を有すること
注意事項
- 機能の制約
- 本情報資産は動作環境に示す環境以外での動作は保証しません。
- データの制約
- 交通データは利用者自身で準備する必要があります。
- 免責事項
- 当ページに掲載している情報は可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、正確性や安全性を保証しません。
- 当ページに掲載している内容、提供されるものによって生じた損害等の一切の責任は負いかねます。
- 当ページで提供されるものは全てサンプルであり予測結果の責任は負いかねます。
参考
- [1]Kiran, R. U., Zettsu, K., Toyoda, M. Kitsuregawa, M., Philippe F. V., Reddy, P. K.: Discovering Spatial High Utility Itemsets in Spatiotemporal Databases, 31st International Conference on Scientific and Statistical Database Management (SSDBM 2019), Santa Cruz, CA, USA, pp.49-61 (July, 2019).
- [2]xData Edgeマニュアル:https://www.xdata.nict.jp/docs/Edge/1.0/